心臓病の症状

要注意すべき症状とは

要注意すべき症状とは イメージ画像実は「心臓病になっても、かなり重症になるまでなかなか症状は出ない」ということに一番注意すべきです。よく心臓病の一般的な症状として発咳、呼吸困難、失神、運動不耐、元気食欲不振、削痩などの心不全症状を生じると言われます。しかし、心臓病になってもある程度までならば心臓の機能や形態が変化し、血行動態の問題を解決してしまうため、全く症状が出ません。これを心臓の代償能力といいます。

体の中で一番大事な臓器である心臓は、代償能力が極めて高いのです。ですから、もし動物が心不全の症状を生じたら、この代償能力ではまかないきれないほどに病状が悪化してしまった証拠なのであり、すでに重症になってしまっているのです。

心臓病の発見のきっかけは、なんら症状が出ていないにもかかわらず、聴診を終えた主治医の先生から突然心臓病の発病を告げられる、ということがほとんどです。ですから「この子には心雑音があります」と先生に言われたら、動物が元気いっぱいに走り回っていても絶対に油断は禁物です。心雑音があると言われていたのに、あるいは心臓病と診断されたのに家族が放っておいたため、取り返しがつかない末期状態にまで進行していたといったケースもあります。

心臓病で考えられる症状一覧・各症状の解説

発熱

犬や猫の体温は38℃前後が正常で、人間と同じく一番基本的な健康のバロメーターです。動物は体毛があるため、直腸で体温を測ります。その他の部位では正確に測れないため注意が必要です。

発熱の症状の裏側に心臓病が隠れていることがあることをご存知でしたか?まさか心臓病だとは思わず、プロの獣医さんでも病気を見逃してしまいがちな症状に、発熱があります。原因不明の発熱があるときに、心臓の中に細菌が付着し、感染性心内膜炎を発症している可能性があります

感染性心内膜炎は急激に発症するため、病気を正確に診断し、迅速な対処を行わないと死に至るとても恐ろしい病気です。発熱の原因がよく分からない、正確に特定できない場合には、感染性心内膜炎を生じていないかということももっと詳しく調べる必要があるのです。

咳をする(発咳)

「カッ!カッ!カハアーッ!」っと痰を吐くような仕草、または「ゴホオ、ゴホオ」とのどから湿った咳が出たりするのが犬の咳の特徴です。夜〜朝方や興奮した時に症状がひどくなるケースが多いですが、時間帯や行動に関係ないこともあり、嘔吐症状と間違われていることも多いです。

心拡大が進行し、大きくなった心臓に気管が押されたり、うっ血の影響が肺に及んだりすることが原因で起こります。僧帽弁閉鎖不全症などの左心不全やフィラリア症で一般的な症状で、気管に合併症を生じているケースも多くあります。猫の咳は珍しいのですが「ゴォ・・ゴホォ・・」と目立たない静かな咳が特徴です。喘息や肥大型心筋症や僧帽弁閉鎖不全などの心臓病が発見されるケースがあります。

腹水・体のむくみ

腹水や体のむくみは、腹部臓器や全身血流がうっ滞してしまうことにより生じます。おなか部分だけ異常にふくれてきたり、手足がブヨブヨしたり、体重が異常に増加します。右心不全で一般的な症状です。

下痢

腸の働きにも血流は重要です。腸での血液の巡りが悪くなると、消化吸収に影響を及ぼすほか、便の中の細菌バランスの乱れを生じ、下痢症状が見られる場合があります。さまざまな心臓病で下痢が認められます。

呼吸困難

心臓病が進み、肺血管の血圧が上がってくると、血液中の水分が肺の中にしみ出してきます。肺の中に水が入った状態になりますから、陸にいながら溺れているようなものです。この状態を肺水腫(はいすいしゅ)と呼びます。動物病院で「肺に水がたまっている」と言われたら、これだと思ってください。

呼吸困難がひどくて酸素が全身に行き渡らない場合、酸素不足によって呼吸は浅く速くなり(浅速呼吸),舌の色が蒼白〜紫色(チアノーゼ)を生じたりします。たいてい動物は苦しくて横になったり眠ることができず、お座りの姿勢をしたまま息苦しそうにします(起坐呼吸)。僧帽弁閉鎖不全や先天性心奇形による左心不全に認められる症状です。また、ハアハアとネコが口を開けて犬のような呼吸をする時は異常があります。

ふらつく・倒れる・失神

心臓の機能が落ちると、全身に血液を送る能力も落ちます。脳血流が不足するようになると、ふらついたり倒れたり、立ちくらみのような症状が認められるようになります。フッと意識を失うように崩れ落ちたり、倒れてジタバタしたり泳ぐような動作をするケースもあります。けいれんが起こることもあります。

疲れやすい(運動不耐)

心臓の能力が落ちるため、激しい運動がしにくくなっていきます。散歩を嫌がったり、運動したり興奮したりすると息があがりやすくなります。運動時は筋肉がたくさんの血液を必要とします。正常な心臓であれば簡単に血液を送り出す量を増やせますが、心不全の状態では身体の要求に応えることができません。結果として疲れやすくなり、すぐ息がきれるようになります。

食欲不振

最近「ごはんの選り好みがひどくて、ワガママになっちゃったなあ。」と感じたりしていませんか?心臓病が進行してくると、元気や食欲が低下してきます。食欲不振は最初は「ごはんの選り好み」から始まります。ドライフードを食べなくなり、人間の食べ物やおいしいオヤツばかり欲しがって食べたりするようになります

本当のワガママだったりすることもありますが、食欲不振の初期症状のこともあるため油断大敵・要注意です。ごはんの選り好み状態をそのまま放っておくと、だんだんオヤツを出しても、何をしても何も食べないようになっていきますが、それは食欲不振なのです。元気や食欲不振は病気のサインで、心臓病のことも多くあります。

痩せ(削痩)

心臓病による全身性の消耗状態(心臓性悪液質)や慢性的な食欲不振によって、やせ衰える症状です。普段通りにごはんを食べていても、やせ衰え、肋骨や背骨部分が目立つように骨ばってくる場合があります。これは心臓病に限らず、何か病気がひそんでいる時に見られる傾向です。ダイエットをしているわけでもないのに痩せてくるときも注意が必要です。

跛行(はこう)・運動麻痺・突然の悲鳴

心臓内の血栓が流れ、動脈に詰まって血液が流れなくなると、そこから先の部分が働かなくなり急激に症状が出ます。これを血栓塞栓症と言います。猫の心筋症で発症することが有名ですが、その他のさまざまな心臓病でも血栓塞栓症がおこる可能性があります。

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